99年12月28日午前東京地裁は三洋証券の破産を宣告した。破産管財人は桃尾重明弁護士で、2000年5月17日に債権者集会を開催する予定。
97年11月3日に会社更生法の適用申請をして以来２年１月余を経てやっと清算へ向かうこととなった。しかし何故あの時、会社更生法の適用申請などという方法を選択したのだろうか？ 信用第一の金融機関でかってそれを適用申請した例はない。そうした再建が可能だと11月3日の時点で思っていた者も殆どいなかったはずだ。それなのに金融当局と保全管理人団はあたかもそれが可能であるかのように、マスコミや従業員に吹聴し、それでいながら十分な再建努力をすることもなかった。傍目には、何らかの必要で時間稼ぎをしているとしか思えなかった。その理由はやがて時の経過と共に、歴史の中で明らかにされるのかも知れないし、是非明らかにして欲しいとも思う。しかしそれがどうであれ、多少なりとも再建を信じ込まされた従業員・債権者・株主にとっては、何とも腑に落ちない展開となってしまった事も事実である。ともあれ三洋証券という一つの株式会社の幕引きはもう間近かとなったのである。