今世紀中に10,000ドルの大台を越す事は無いと考えていたNYSE(ニューヨーク証券取引所)のダウ３０種株価が10,000ドルに到達してから１か月余りで、更に１割アップの11,000ドルを越えた。確かにファンダメンタルな指標は良いのであるが、このバブル相場の崩壊も近いものと考える。米国民の現在の強気の考え方は80年代終り頃の日本と全く同じであり、やはり歴史は繰り返すのである。ネズミ講が無限に増殖することが不可能であるように、インフレ率を大幅に上回る株価上昇も続かないのである。寧ろ山高ければ谷険しと言う事で反転時の奈落がどの程度なのか、その事の方が不安である。
401Kだけではないが、米国民の年金資産が投信経由で株式相場に流れている事は良く知られている。それが今回の上昇相場の原因の一つである事も事実である。これら資産は少なくとも下落しては困るものであり、相場下落反転となれば投資対象を変更せざるをえない。それはまたその変更行為自体が相場の下落に拍車を掛ける。間に合わなかった、つまりババを掴んだ資産は大幅な含み損を抱え塩漬けとなる。そうなる事は歴史が示す必然である。
ＦＲＢ関係者が今の相場はバブルと公言し、自らの株式はかなり以前に売却したという。結局何時崩壊しても可笑しくない状況なのである。例えばユーゴ紛争が解決し、回避していたユーロ投資の復活でNYSEが多少の調整をし、その調整が他の投資家の離散の発端となる。そうした可能性は幾らでも考えられる。問題はNYSEの崩壊が世界経済そして日本経済にどこまで影響を与えるかである。
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