ISIS(Islamic State of Iraq & Syria)により、湯川さん、後藤さんという二人の法人が殺害された。ISISの残虐な行為を非難する。ISISは通称イスラム国と呼ばれ、最近ではISIL( Islamic State of Iraq and the Levant)とも呼ばれているが、私はCNNに習いISISを使っている。
先ず今回の事件は危険なISISテリトリーに入ったお二方の無謀な行為が問題であり、自己責任を問われるのは仕方のないところだと思う。後藤さんは先に捕まっていた湯川さん救出の為に行ったとの情報もあるが、ヒロイズム的な行動であり、結果として間違った判断だったと言わざるを得ない。
しかし二人はISISに殺される何かをしたのか? 下はISISが出した声明だ。
日本政府へ。お前たちは邪悪な有志国連合の愚かな参加国と同様、我々がアラーのご加護によって権威と力を備えたイスラム教カリフ国家であり、お前たちの血に飢えた軍であることを理解していない。アベ（首相）。勝てもしない戦いに参加するというお前の無謀な決断のせいで、このナイフが(後藤）ケンジを虐殺するだけではなく、お前の国民を見つければどこにいようと大虐殺を引き起こしていく。日本にとっての悪夢を始める。
ISISはアベに対して喧嘩を売っている。集団的自衛権といって、空爆を実施した米国と共同歩調を取っている日本を米英の仲間と見ている。更に問題なのは安倍首相がイスラエルも訪問し、周辺国支援を表明した事だろう。アラブの敵イスラエルのネタニヤフ首相と並ぶ笑顔の写真が新聞に載れば、多くのアラブ人、当然その多くはイスラム教徒だが、どのような反応を示すかは一目瞭然であり、二人が昨年11月頃拘束されていた事を知っていた日本政府が、その事を考慮もせずにイスラエルを訪問したとすれば、拘束された事は二人の自己責任だとしても、殺害の動機を与えたのは安倍首相と断じて間違いないだろう。
かってアラブ社会は親日だった。しかしイラク戦争の時に当時の小泉首相が真っ先に支持を表明した事で、今の日本は米国の同類項とされている。ISISの指導部はフセイン政権バース党の残党と言われている。だとすればISISという集団が出来た原因はイラク戦争に有ると言える。私はこのOpinionの場でイラク攻撃は避けよと書いて来たが、結局あの戦争が今の混乱を生み出した。
ヨルダンは自国パイロットが事前に殺されていた事が判った事で報復として釈放要求の有った死刑囚の死刑を執行し、更に空爆を再開した。しかし空爆で犠牲になる人々の憎悪は更に深まり、将来のテロを招くだけだろう。
安倍首相のような好戦的な首相がいる限り、日本はアラブ、イスラムの敵と捉えられ、更なるテロのターゲットとされるのだろう。フランスの新聞社のように特定の攻撃ターゲットであれば日本人犠牲者は増えないかも知れないが、欧米の観光地、あるいは日本国内での自爆テロのような事が起こらない保証はなく、かって当時のブッシュ米国大統領がテロとの戦いと戦争を始めた事が、今のテロ不安を増大させた原因になっている。空爆といった力による攻撃をすれば、将来の報復を招くだけとの教訓を忘れてはいけない。
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