運転免許更新を廃止しろ (2003.05.24)

 本日の日経新聞別紙で、「早朝・深夜にやって欲しい行政サービス」というランキングが有った。トップは公立病院で、2位が運転免許証の更新、7位がパスポートの申請・交付といったものであった。多くの地元警察署では平日日中しか免許の更新を受け付けていないことに対する不満が2位として出たものであるが、私に言わせれば運転免許更新そのものを廃止すべきである。

 そもそも欧米諸国にこの運転免許更新という制度はない。単なる税金の無駄遣いであり、国家破綻寸前の国としては、真っ先に行政改革としてその廃止を実行すべきものである。運転免許証を持っている者は、3年あるいは5年に一回更新手続きに行くのだが、道路交通法が改正になったからといって試験がある訳ではなく、ペーパードライバの実地試験もない。有るのは目の検査であるが、近視の進んだ方は矯正した眼鏡にすれば良いのであり、この更新手続きの合理的な意味は何もない。例えば私はアマチュア無線の免許を持っているが、更新手続きなどといったものは元々無いのである。

 では何故こんな無意味な運転免許の更新手続きがあるのだろうか? それはこれが有ればそれに携わる方々の雇用が確保出来るという事ではなく、儲けている方々がいるからだろう。例えば神奈川県の警察署で手続きすると、更新料2950円、写真代1000円、送料900円を取られた。写真代と送料は写真を持参し、再度免許を警察に取りに行けば取られないが、価格が一般の写真代・送料と比較して著しく高い。更新料2950円にしても相当に高く感じる。恐らくは業務を請け負うのが安全協会といった警察官僚の天下り組織であるため、儲けなければ退職金が確保出来ないというところだろう。

 いったい全国の警察周辺に運転免許証の更新手続き専従の公務員が何人いるのか知らないが、当然この方々の給与は我々納税者の血税で賄われる。しかし日本はいま国と地方の長期債務だけで700兆円を越え破綻寸前なのである。無駄な歳出は1円でも減らすべきであり、その象徴的なものがこの運転免許更新の廃止である。改革・改革といって一向に改革など進められない小泉政権だが、年金改革といって消費税増税議論をする前に、運転免許更新の廃止くらい率先して実行してみたらどうなのだろうか? 野党からもこうした意見が出ているようには思えないが、今一度国家財政の危機的状況を再認識し、無駄な財政支出削減に何をなすべきか考えてみるべきである。

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