2002年3月8日、第二地方銀行の中部銀行(静岡市、栂井尚志頭取)が、預金保険法に基づく破綻処理を申請した。ペイオフ解禁直前の預金流出が止まらず資金繰りに行き詰まった。さて、なぜ破綻証券のページに中部銀行なのかと思われる方も居るかと思うが、元S証券の方は既に気付かれているように、昨日退任した中部銀行の頭取は日銀からS証券へ天下り、その後S証券倒産前に渡りをした栂井氏だったからである。ペイオフ解禁という金融政策が、かっての日銀マンを追い詰めた訳である。
天下り役員には単なる腰掛けで、席だけ有って何年か在籍し退職金もらって辞めていく方も多い。しかし栂井氏はそうした方々とは異なり、実力のある金融マンだったと認識している。静岡方面の銀行へ移っていた事は知っていたが、中部銀行とは記憶していなかった。昨日のテレビニュースで深々と頭を下げる氏の姿を見て、結局破たんの主役を演じているのかと不思議な因縁を感じた。