二代の投げ出し首相を継いだ方なので、多少は期待したい麻生首相だったが、資質自体にかなりの問題があるようだ。元首相の孫・子供・孫と続いた首相だが、血筋だけでは首相は務まらない。成城、早稲田、学習院と二流・三流の私大卒ばかりだが、少なくとも安倍・福田両氏は教養まで疑われる事はなかった。しかし麻生氏は漫画を読むと言われる一方で「未曾有」や「踏襲」が読めないようでは、高校生にも笑われよう。首相になる人間は最低限の教養を身に付けているべきで、これでは総裁選前に官僚の書く文章が読めるか漢字のテストが必要ではないだろうか。
漢字問題だけなら笑いで済みそうだが、「給付金所得制限問題」「郵政株式売却」「道路特定財源の交付税配分」といった問題に「医師には常識欠落者が多い」といった失言まで飛び出しては、自民党からも首相降ろしの風が吹くのではないだろうか？ 因みに私は麻生氏の人柄は買いたいし、流暢ではないが取り敢えず通じる英語力も良いと思っている。しかし、首相として最も重要なのは、政策の指導力であり、党内合意なしに方向付けしても、余程頑張らないとトップダウンは通じない。今のところ以前の小泉氏の様に、自民党を敵に回しても、世論を支持を得ているという訳ではないので、自滅の日も遠くないように感じてしまう。
一応麻生首相は総務大臣や外務大臣を過去務めた事のある人で、政策通かのように思われていたが、この方はどうも政策の内容を理解していないらしい。「給付金」の問題については当初全世帯配布と言ったが、そのが与謝野氏が高額所得者に出す事に難色を示し、その方向で検討はしたものの、法律の整備や確認の方法等で頓挫した。頓挫で終われば良いのだが、その判断を地方自治体に投げてしまい、責任を転嫁した。地方自治体側は自治体レベルで基準が違うとクレーム対象になるからと、現時点では給付制限に尻込みしている。麻生氏はこの責任転嫁を何と、地方分権だから良いと嘯いているらしく、地方分権とは何なのか理解しているのか疑わしい。
社会保障費の抑制を巡って「たらたら飲んで食べて、何もしない人（=患者）の分の金（=医療費）を何で私が払うんだ」との発言も有ったが、これなんかある意味本当の事を喋っている。健康でいる人間はそれなりに投資をしていて、一方60歳を越えて病院通いしているのは、若い頃に煙草を吸っていたとか、ジョキング等のスポーツはして来なかったとか、問題のある事は事実だと思う。しかし首相という立場を考えると、この発言は容認出来ない。社会とは、共生の理念で、病弱な人間を他の健康人が支えていかないといけない事になっている。医療保険には自己責任の論理を持って入る事は出来ないのだ。
既に麻生政権の支持率は調査機関によっては3割を割って危険水域に入っている。発足後2か月でこのような惨状になっているのは、やはり首相自身の失言や漢字も読めない資質問題が大きいと思う。確かに民主党の小沢氏で良いとは思えないものの、先ずは国民に信を問うべきだ。自民も民主も寄せ集め集団であり、必要ならば政界再編も行ない、この金融危機難局に立ち向かうべきだ。
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