昨夜の都議会で舛添氏の21日付け辞職が決定された。本人の言うように不徳の致すところ、自業自得の結果となった。
私自身コラムで最低6回は書いていて、舛添問題は本年前半のハイライトのようになってしまったが、退陣の引き金となったのは家族との正月の家族旅行のホテルで出版社社長と会合を持ったとして政治資金で落としていた問題だろう。この社長は既に亡くなられた方との報道も有るが、舛添氏は氏名を最後まで明かさなかった。氏名を伏せるのはプライバシー配慮とするのであれば、それに代わる証拠を示せば良いと思うが、結局それはなく、本当に会合が行われたのか、会合の無い単なる家族旅行を付け替えていたのか市民には判らないという結果のままだった。かって政治には金が掛かる、その金を企業献金ではなく税金で賄うとして、政党交付金が作られたが、結局その税金が政治家の家族旅行に使われていた可能性が否定出来ない事となった。何か事件が有ればいつもそうだが、恐らくそれは氷山の一角であり、同様な事が多くの議員でも行われているのだろうと推測する。
政治資金規正法は金の入りについて規制する法律であり、その用途は問わない。舛添氏が調査を依頼した弁護士が不適切だが違法性は無いというのはその通りという事になる。要はこの法律がザル法なのであり、適切な改正をしなければ同じ事をする政治家は後を絶たないだろう。発覚してから返金すれば、少なくとも現法律上は問題がないのだから。
ファーストクラス利用など高額な海外出張問題、公用車での週末別荘利用問題、政治資金での美術品購入問題や回転ずし等の家族利用付け替え問題、公用車での演奏会やプロ野球観戦問題等、数多な問題が出て来たが、そもそも地方自治体の長がなぜ海外にとことこと出掛ける必要があるのか良く判らなかった。姉妹都市での首長外交とオリンピック視察との理由も有りそうだが、2014年の韓国訪問は何だったのか、外部の者には良く判らない。ソウルが姉妹都市で18年訪問が無かった事が異常としてソウル市長を訪問するのは問題ないが、朴槿恵大統領を表敬訪問して韓国学校増設の協力要請を受けたとされている。国家間の外交は日本政府に任せるべきであり、政府に伝えますと言えば十分だろう。
にも関わらず舛添氏は四谷の一等地の韓国への貸与を決めた事はここに書いた。他に用途の無い土地ではなく、多くの都民が新たな保育園の設置場所を求めている中での貸与決定で大きな批判を浴びた。政治資金の公私混同問題も酷いが、この都有地貸与問題が実は問題の原点で、右寄りのマスコミの琴線に触れたのではないだろうか? 私自身、次の都知事にはこの決定を見直してもらい、都民の切望する保育園の設置などに代えて欲しいと思っている。
舛添氏はそもそも自公両党の推薦と支援で当選した知事である。その自公も退陣を求めた以上、自らの責任をどう取るのか都民に明らかにすべきだろう。次の候補を誰にするのかという問題もあるが、次回は候補擁立を見送って反省の意を示したらどうだろうか。今回の舛添騒動で週刊誌は儲けたのだろうが、本当に得しているのは、陰に隠れて批判の矛先が向かわなかった五輪疑惑のJOCと、裏でこそこそと国会復帰を宣言した甘利氏ではないだろうか。
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